ソーダサイドで君が待っている。
きみどりいろのパチパチで
君の素足が
ゆれる ゆれる ゆらぐ
右手には
具合が悪くなりそうなほど 真っ赤なストロー
左手には ビーチボール大の さくらんぼ 大事そうにかかえて ぱちゃぱちゃ 波立てて はしゃぐ君に 「それ
たべれるの?」
って きいたら
「ひとくちあげる」
だって。やったね。
えっと、そっち側に行きたいんだけど
渡れるかな、コップのふち
やっと立ちあがった僕を
「うまれたての こじか みたいね」
君が かちゃかちゃ
笑ってゆれるから だめ、
バランスくずしちゃう
おちる、って ところで
左足が ずむむ と 冷たいやわらかさに
あ、アイスクリーム。
僕はそのまま アイスクリームにのって
右足で きみどりをかいてすすむ。
アイスクリームが溶けきるまえに、
なんとか辿りついて。
君に手をひかれて、 隣にすわった。
「やだ、て が べたべたじゃない」
「ごめん」
「いいよ、あやまらなくて」
君は中指の先をなめて
「おいしいもの、」と わらふ。
僕も てのひら をなめてみる。うん、おいしかった。
僕らの足元では
さっきのアイスクリームが
四角い透明の すきま
すきまに沈んでいく