ほそくてうすいきみの足に
よく馴染むカラフルな上履き
ゴミ箱で息を殺しながら
みいつけた、の声を待っている
朝の喧騒をかきわけて
きみは机上の花瓶を投げ割った
安っぽい悲鳴をあげたそれは
花火のように舞い散っていく
ビー玉みたいな彼らの目と
しゅわしゅわ耳障りな歓声
ちぎれたノートの紙吹雪のなか
ぼくはきみの白い手首をひいた
ねえ、ここは息苦しいね
だったら逃げてしまえばいいよ
きみがぼくにそう言うから
ぼくもきみにそう答える
真夏の太陽に浮かされた脳
先の未来なんてどうでもよかった
酸素の煮えきったこの水槽から
ふたりで這いだせれば それで