僕がこの喫茶店に通い始めて1年がたつ頃。
僕は毎朝決まった時間に喫茶店に訪れる。
店内に響く鐘の音。うん、心地良い。
「おはよ。」
「ども。」 味気ない会話も1日の始まりの合図のようだ。
「マスター...えっと...」
「...いつもの、だろ?」
自慢げに僕に言う。
「1番安いのばっか頼みやがって。」そういう店主の顔はどこか楽しげ。
珈琲と具沢山のサンドイッチ。
未だにブラックは飲めないから一連の動作のように角砂糖3つを珈琲に投入。
それでも少し苦い。
静かな店内に今日もTVは暗いニュースを流してる。勿論それは店主のどうでもいい阪神の話とともに聞き流す。
就職先に困ってた僕は急に話を切り出す。
「ねぇ、マスター...」
「どした?」 意外に早かった返事に少し戸惑う。
「...あ、あのさ、マスターがもし倒れたらこの喫茶店どうすんの?」 そんな事聞いてどうする気なのか自分でも解らない。
「...そうだなぁ。そん時は潔くこの店たたむわな。」 とマスターは笑って聞かせた。
質問の内容を間違えてしまったことの後悔と
答えた時のマスターのどこか悲しげな顔は胸に痛く刺さった。
はじめまして。毎回読ませてもらってます。続き楽しみにしてます。
望月 朔(もちづき さく)さんレスありがとうございます!
そーいってもらえると本当に嬉しいです。
また見に来てください!