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夜中11:55の二人

「ねぇ。」
「やぁ、なんだい。こんな遅くに。」
「今日は、どうだった。」
「楽しかったよ。」
「何したの。」
「体育でソフトボールしたり、地理の先生がくだらないこと言ってるのを見て嘲笑したり、隣のクラスの嫌いなやつを見ていらいらしたり、数学の公式のテストを受けて、一問だけまちがってたり。いろいろあったよ。」
「全部、楽しかったの。」
「全部じゃないさ。」
「?」
「楽しかったし、呆れたし、いらいらしたし、悔しかったりしたよ。」
「それやってて恥ずかしくないの。」
「これが、今日の感情だから、恥ずかしいなんてないさ。」
「明日もそうなるのかな。」
「それは、そうとも限らないよ。」
「え?」
「今日はなかったけど、怒ったり、悲しかったり、うれしかったりするかもしれないね。」
「ぼくは、明日が怖いんだ。君は、楽しく過ごせたかもしれないけど、ぼくは、わからない。明日がわからない。」
「明日がわからないのは、みんな同じさ。みんな、明日のことがわからない臆病者なのだよ。」
「でも、」
「だいじょうぶ。君はいきていけるよ。」
「・・・ほんと?」
「ああ。現に、ぼくがここにいるじゃないか。」
「あしたは、くる?」
「くるよ。未来のために。」
「でも、明日がきたら、きみは、」
「ぼくは、今日だけのぼく。だから、明日一日は、きみが生きるのだ。そろそろ君と入れ替わるときだね。」
「いやだ。やだよ・・・!まだ聞きたいことがあ」
「思ったこと、感情を、臆病者に伝えるんだよ。君に伝えられてよかったよ。」
「また、あえる・・・?」
「わからない。感情しだいだね。」
「うん。・・・またいつか。」
「ああ。さようなら。」
あしたのぼく。

  • 長いです。
  • ポエムっぽくないです。
  • ごめんなさい。
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