だれかに伝えてもどうでもいいような
ひとつのフレーズでふざけている
外れた調子で追いかけても また出会う気がして雨読
貴方のおやすみってどこか堪えきれない
造花に恋してるみたいな拍子抜け
ふたり、ひとつのフレーズでふざけている
あたらしい言葉の美に詠嘆したい
枠組みなんて見当たらない夢にいる
共感なんて求めていないのです
砕けて、くだけて、くだいて。
ふたりだけの言葉
一歩外に出たら
それは、違う意味を成すもので
あなたは、呪文系女子で
わたしは、呪文系男子
流行の最先端に横穴を掘り進める
更紗を隔てた誰かの隣で
ふたり順に綾取りをする
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ふたりだけの言葉
平和な星ひとつ、ここにありまして
きっと知らない星でしょう
ならば、幾何学呪文を唱えましょう
さらさ、さらさ、揺れる音に促されて
綺麗なきれいな綾取りに微笑む
遣い古された音の羅列を
指で準って愛おしく咀嚼して
私の血液に成って往く
何度だって
私の中で
言葉は生まれ変わって
また、あなたへと吸い込まれて往く
新しい意味を伴って
新しい響きを伴って
そうして、殖えていくの
ふたりだけの言葉
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ふたりだけの言葉
巡るこの身体のくすぐりを
例える口などありません
互いの思いを焚べて、ただそっと眺めるのです
しじまにて、言葉を幾つも孕みたい
たった今、平穏のなかを泳ぐ生き物です