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何にもない

違和感。
体育大会や、合唱祭。みんな泣いてた。自分は泣いてない。
涙腺が緩む気配さえしなかった。否、寧ろ笑えてきた。

頑張ってないわけじゃない、やる気がないわけでもない。最初からまじめにやっている。・・・・はず、なのに。
熱中していても、気を抜いたら視点が外からのものになる。自分を、客観的に見るようになっている。空っぽに、感じる。

吐き出した音が、耳をすり抜けていって、声を出していないように感じる。

何も苦しくはないのだ。そう、何も。何も起きていない。

なのに何かが、心臓を締め付けてくる。

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