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チョコレートアイス

帰り道で君を見かけました

1人で歩いていた時

寒いなぁと思いながら
濃いチョコレートアイスを食べていました

まだ夕方なのに冬は容赦無く暗くなり

左の空は飛行石のような色
右の空は海の底の色

街灯はあんな冷たくて寂しい所に立っていて

夜はきっと寂しいだろうなぁと思いながら
濃いチョコレートアイスを食べていました

そんな時 無防備なセーラー服の横を
イルカのように通り抜けたのは

あの時みたいに自慢の白いマウンテンバイクに載って通り抜けたのは

あの時「そのマウンテンバイクかっこいいね」
って言ったの覚えてるかなぁ

何も変な事を言っていないのに
恥ずかしい気分になったのは
きっと君を好きだったからでしょう

あの時は 、
あわよくば私が君のこと好きだって気づかれればいいのになんて思いながら言ったけれど

というような事を思い出していたら
こんな寒い日に帰り道でアイスを食べている自分が恥ずかしくなりました

チョコがついていたらどうしよう…
食い意地張ってると思われたらどうしよう…

そんな事を考えて悶々としていたけれど

君は私の事を気づきもせずに通り過ぎました

チョコを拭いたウエットティッシュが
冷たかった





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