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無題

貴方が髪に挿して下さった
真っ赤なカメリア
お母様は顔を顰めたけれど
似合うよと笑んだ貴方の言葉が
迷信よりも真実だった

貴方が髪に挿して下さった
真っ赤なカメリア
貴方の腕はいつだって花盛り
出来れば最後の褥にも
この香りを満たして欲しい

貴方が着せて下さったなら
眞白の装束は迷わず私を導いて
貴方が引いて下さったなら
最期の紅は玉虫のお色

持ってはいけない真っ赤なカメリア
川の畔へ植えておきますから
貴方がいらす頃にはきっと
その懐と同じ 一面の花盛り

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