背が高くて眼鏡で天パ
楽しげに毒吐く薄い唇が
本気で弱っている時には
決して笑わないのを知っている
蔑み色に似た瞳は
本当は地の果てまでも
公平なだけだと知っている
背が高くて眼鏡で天パ
少し冷たい顔立ちが
笑うと甘くなるのが好きだった
神経質そうな尖った声が
和らぐ瞬間が好きだった
背が高くて眼鏡で天パ
冷血の指先と色のない肌
いつでも黒いシャツにスーツ
鞄のセンスは少し変
冗談のつもりの でっち上げのつもりの
勢いで頷いてしまった初恋が
じわりじわりと
真実味を帯びてしまって笑えない