幼子の履いた長靴のように
無邪気に蹴散らして 笑ってみようか
そう思ってたのに 現実は
走り去る後ろ姿が 蹴散らした空
全部受け止めたら ずぶ濡れで
突っ立ったまま 風邪を引く
長靴、と云うことばに宿るこの魔力はなんだろう。十五年も前に穴が空いて捨ててしまった黄色い長靴のこと、雨が降らなくても買ったばかりの長靴を履きたがったらしい逸話のこと。
雨が恋しいのは子供の頃から変わらなかったんだなぁ、なんて
哀しい雨降り。
濡れたまま寝転がって、もう眠ってしまいたい。
期待通りにはいかないのがこの世の常で
期待していた長靴も上からの水までは防げなくて
ずぶ濡れのまま コンクリートに寝っ転がって
本物の空を 見上げられたらよかったのかな