放射冷却に照らされる 舞台のうえのぼくらの熱 汗すら凍る沈黙のなかを そっと そっと歩いてゆく 銃の反動がひどくリアルで 思わずぼくは心臓をまさぐった 脈拍をいろどる無数のアドリブ にじむ輪郭 したたる涙 ぼろぼろになった脚本を閉じて きみは笑顔でぼくにナイフをむけた 緞帳の裂け目からこぼれる台詞 それはきっと 現をも超える 背負うものは重たくないよ それはいつだってあたたかい 産声さえも或いは芸なら さよならピカロ、来世で遭おう