ベランダの縁に手をかけて、ぼんやりと外を見つめていた。 ふりかえった私は、まだ少女だったのかしら。 まだ大人になりたくないと言えば、君はわかってくれるの 月明かりで、見た君の横顔、 もっと透明な色だったはずなのに。 恋しさばかりを集めて、腕いっぱいに抱えた私は、 それを全部、ベランダから投げ捨てた。 息が整わない。 目をあわせた私は、まだ少女だったのかしら。 どくどくと脈を聞きながら、その鼓動がはやくなれと思った。