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γ

誰が悪いか決めたくなった
分かりづらい現実に分かりやすさを求めた
無口で地味な少年が
その捌け口になるのはよくある話だが

「お前はいつも何かに怒っているよな
そんな生き方して辛くないか?」
辛い辛くないの問題じゃないと
答えるのも辛かったから黙った

君は真面目で優しすぎるよ
ここで生きるのには向いてないくらいに
でも私は君のそんなところが好きになったの
って言ってくれてどうもありがとう

人を傷つける資格もない奴が
素知らぬ顔して人を傷つける
そんなのは珍しくも何でもないと
目を逸らし足早に去る
誰かの吐いたニコチンと溜め息を
君は深く大きく吸い込む
こんな社会とそれに汚される
君を守れない僕が嫌いだ

自分を大事にできない人が
他の人を大事にできるわけはないよな
今になってそんなことに
気付くなんてやっぱり僕は莫迦だ

卑屈で最低だったと思う
好きと言ってくれたのに疑ってごめんな
君は今何してるだろうか
幸せになってくれたらいいな

君は真面目で優しすぎるよ
って言われたけどどうしてもそうは思えないんだ
本当に優しい人は
そうやって気を遣わせたりしないんだろうから

目に見えるものばかりに惑わされて
何かを失う様は滑稽なんだろうな
女子高生の甲高い笑い声が耳障りだ うるせえよ
って呟いた後で歩いて
背広の男とぶつかり舌打ちされた
ああ、邪魔者は僕の方だったのか
僕を守れない僕が嫌いだ

もう全部嫌いだ

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  • 「本当に優しい人は 
         そうやって気を遣わせたりしないんだろうから」
    そんなことを言えることに凄く優しさを感じます
    簡単に言えることじゃないとおもうので。

    すごくこのポエムに優しさをかんじました。

    なんかいい表し方がわからないけれど
    このポエムがすごく好きだな、と思います(*´∇`)ノ

  • レスありがとうございます。
    そう言ってもらえて嬉しいです。
    半分実話みたいなもんなので、
    ちゃんと、昇華というか、
    あのときの自分を成仏させようと思って
    作りました。
    改めて読むと暗いっすね、これ!
    読んでいただいてありがとうございます、本当!