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 昔、あるところに、おじいさんとおばあさんがいた。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に行った。昔の川はきれいだった。おばあさんが洗濯をしていると、川上から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきた。ところでこのどんぶらこというフレーズを最初に使ったのは誰なのだろう。絶妙だ。おばあさんは桃を家に持ち帰り、おじいさんと食べた。桃はあまり美味しくなかった。桃を食べ終えるとおじいさんはおばあさんに、愛してるよ。と言った。おばあさんは、いつものようにきき流した。六〇過ぎて旦那に愛されているなんていうのは嫁にとってストレスでしかない。年をとると男性は依存的になる。何もできない小さな子供に愛されているようなものだ。これでは疲れてしまうだけだ。自分の生んだ子どもと違い無償の愛は注げないわけだし。

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