目があって
電撃が走った
私が何年も前から探していたのは貴方だったのね
私はシンデレラ
貴方は王子様
夢みる姿をして
お城で迎えてくれたのね
その長い首も
輝かしい肌も
全てが理想的で
それから
「お試しになりますか?」
「………あ、いいすか」
「どうぞ」
首にかかる重みが心地良い
「これにします」
青く冷たい体を撫でた
今日から私の王子様ね
-とある楽器屋のベース売り場にて-
楽器との出会いは恋に似て、きっとそれよりも美しく強いものですね。
ぼくの場合は家に転がっていたギター(父が高校生の頃のアコースティック)を毎日何時間も抱いているうちにかけがえのないものになったのだけど。
高校の頃は帰り道のお店で売っていた1セット二百円の弦を月に二回は張り替えて、フレットを磨いたり糸巻きを取り替えたり、猫のように可愛がっていました(笑)今はなかなか時間もとれなくて、錆びないコーティング弦をもう二年も張りっぱなしでそろそろ弦がヨレてきてチューニングが怪しくなってきたけど。
たるとちゃん(と勝手に呼んでみる)はまだまだこれから何年も学生だと思うので、お金はかけられないと思うけど是非たいせつに可愛がってあげてね。毎日チューニングだけはお忘れなく。
(ベース女子、恰好いいなァ!)