眠れぬ夜には目を閉じて
貴方の腕を そうぞうする
白くて骨張った長い其れの
終着点は ひんやりとした掌
腫れた頰を宥める其れの
手首に息衝く light blue
眠れぬ夜には目を閉じて
貴方の胸を そうぞうする
すとんと滑らかな硬い其れが
骨を失くした首を支えて
左耳の下 脈打つ其れが
彷徨う呼気を引き留める
まるでトドメを刺すみたいに
私を抱き潰してくれたなら
詮無い願いを託して
そうぞうしてしまった腕と胸
曖昧な輪郭の貴方へ
名前までもを託して仕舞えば
いっそ私は幸福だろうか?