空を飛んでいる虹色の龍が言った
そこの旅人よ、俺の背に乗らないか?旅の目的地までひとっ飛びだ、今すぐにでも出発できるぞ
旅人は答えた
それもいいね、確かにこの旅は辛いことだらけだ、けれど僕の旅に目的地などないの。
歩いて、歩いて、歩いて、遠くまで
真っ赤に燃え滾る太陽の下を、
歩いて、歩いて、歩いて、いつまでも
冷たく凍えきった風に吹かれ、
歩け
砂漠の中を歩いている黄金の駱駝が言った
そこの旅人よ、僕の背に乗らないか?疲れているだろうから、のんびり送りましょう、今すぐにでも出発できます。
旅人は答えた
それもいいね、一度ゆっくりしてもいいかもしれない、けれど僕の旅に、止まってる暇はないの
走って、走って、走って、息切れるまで
心地よく吹く追い風の中を
走って、走って、走っているだけさ
遠い昔の思い出が足を掴んで離さない
それでも僕らは進むよ、弱音は一切受け付けないぜ、
歩いて、歩いて、歩いて、いつまでも、
抱えた恥や悲しみを大切にして
掲げた拳をもうほどかないで
思い出を振り払って走り出せ