大事な大事な友人が、学校を中退した。
彼女は絵を描き続ければそれでいいと思ってて美術科のある学校に入学したらしいんだけど、勉強する意味が分からなくなっちゃって、学校に来れなくなってた。JRにまず、乗れなくなっちゃって、教室にも入れなくなっちゃったんだって。人の視線が怖いんだって。そんなの、知らなかった。人間関係でしんどくなって来れなくなっちゃったのかと思った。担任から彼女からクラスみんなへの手紙をコピーしたものを配った。
只々、ショックで悲しくて、辛かった。周りの子も泣いてたし、僕の親友も彼女と仲良くしてたから泣いてた。
その出来事の次の時間がデッサンの時間で。みんな、淡々と鉛筆とか木炭とかで描いていってて。さっきのことが冗談だったみたいで。なんでそんなにみんな描けるんだろうって思った。
そう思っていた僕は鉛筆を持つことすらためらった。
「絵を、描いても良いのかな」
って思った。
担任が、その時に「大丈夫?ショックだった?」って聞いてきた。
「大丈夫です。」って言ったけど大丈夫なんかじゃなかった。ショックじゃない方がおかしいんじゃないかとまで思った。
その時間が終わった後、文化祭に向けての準備だったのでみんな自由だった。もう、いつも通りの顔をしてる人がたくさんいた。僕はただ、泣くことしかできなかった。悩みとか聞いてくれる友人が来て、「大丈夫。思いっきり泣きな。」って言ってくれて、すっごく泣いて、落ち着いて、冗談が言い合えるまで、友人は待っててくれた。
僕には彼女の分まで頑張らなくてはいけないと感じた。彼女に負けないくらい。死ねない理由ができてしまったが、生き残る理由もできた。
彼女に手紙でも送ろう。渡す予定だった彼女の好きなキャラのイラストも添えて。