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無題

その日の貴方は機嫌が良くて
珍しく外で手を繋いだ
飽きて帰ったりせず夕方まで
オトモダチの誘いも断って
蜆の味噌汁作って、今日は休肝日。
そう言って手を引く貴方の背に
幸せを噛み締めた
隣歩けよ。
笑った貴方の彫りが深くなる
ぽたって頰に雫が垂れて
次の瞬間には土砂降りになって
気が付いたら私の手は空っぽで
幾ら見渡しても貴方は居なかった
慌てて叫んだ貴方の名前が
大きく辺りに響き渡って
驚いて目を見開いた
それまで閉じていたことに気が付いた

目を開けば なんてことない。
私は1人ソファの上。
食洗機が皿を濯いでいた。

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