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うたうたいの独り言

金曜日の夜。

規則正しい電車の揺れの中、

お休みが合ったから、2人で君の住んでいた街まで

大切な人の生まれた場所。

君が悲しいときに来たという防波堤。

休みのたびに食べに来たという洋食屋さん。

家まで香りが届いたというお花畑。

テストのごとに通った図書館。

大切な人の大切な場所。

大切な人の大切な思い出。

僕が知らない君がこの街にはいたんだ。

君はこの街を離れ、頑張ってきたんだなって思うと、鼻が苦しくなる。

いつかの笑った君に。

いつかの泣いた君に。

今の2人が、

この街の記憶になった。

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