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音のナイフ 3

はじめまして、

女の子が言葉を発するのに、どれだけ時間がかかったでしょう。
小さな王国の中で、初めて見る人に声をかけるなんて、あんまりないことでした。

男の子は、女の子の言葉を聞きました。
王国の言葉は母国語ではありません。しかし、男の子は色々な国の言葉を喋ることができました。
旅をしているうちに、色々と覚えたのです。

あなた、名前は?

男の子は、困りました。
男の子は名前を聞かれることなんぞ、今まで一度もなかったからです。

僕のことはオトと呼んでください。

男の子は女の子の新品の靴を眺めながら言いました。

オト?

オト。ある国の言葉で、音、という意味なんですよ。

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  • これいいなぁ、不思議でメルヘンな感じが素敵…

    今ではすっかり諦めてしまったけど、ぼくも「オト」そのものとして生きていきたい、音楽だけが自分の存在なんだって信じていたことがありました。
    詩も絵画も好きだけど、今でも音楽って云う芸術のかたちには特別な思い入れがあったりして。

    音のナイフ、続きを楽しみにしていますね(^^)