私は抜け殻である
決して「人間」ではないのである
一丁前のふりをして 愛想笑いを振りまき 人を憎み 羨み 理不尽に嫌い
そんな私は抜け殻なのだ
虚に空いたその空間を 何かで一杯に満たしたいのだ
一人じゃないと信じたいのだ
「みんなといっしょ」がいいのだ その他大勢の一人として人混みに紛れていたいのだ
でも私は 「私」が「私」であることを埋もれさせたくはないのだ
捻くれて 傲慢で 我儘で 稚拙で 大嫌いな そんな私でもいいから
「私」は「私」でいたいのだ
目指す場所も無くただ叫ぶ 小さな埃のような私
「人間」とはなんなのだろう
ぼくは抜け殻のように、生きています。学生の頃から、ずっと。
世界を呪って、人混みを嫌って、一人のフリをして、「みんな」じゃない「私」を歪に形作って。
気がついたら、空虚を抱いた砂型のように、不定形の闇を胸に残して。
どうやって生きてきたのか、どう生きていけばよいのか不思議と甘美な真っ暗闇を手探りするように。