晴れていた。暑かった。学校は、さぼることにした。自転車をこぎながら、こんなんじゃ大人になってまともな収入は望めないな。と考えたがなあに、身長にしても収入にしてもずば抜けて高い人が平均値を上げているのである。金のあるふりしてけっこうみんな貧乏なのだ。気にしない気にしない。
住宅地を抜け、山道に入ると道ばたに地蔵があった。自転車から降り、もっと地蔵が増えれば、自分がしたことされたことは大したことではないと思いたいための暴力や性的逸脱の反復行動はなくなるのに。などと、考えながら手を合わせた。するとどうだろう。何も起こらなかった。当たり前だ。
引き返すことにした。暑かった。どこまでも、晴れていた。