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雨粒

「ゴクッ」上下の歯を噛みしめたまま体内に落とす
「ゴクッ」味も分からない雨粒をポトリと落とす
それは誰も知らない場所で誰も知りえない体内の雨音
体内にゆっくりと でもしっかりと音を鳴らしているのに
誰かに聴いてほしいのか 気づいてほしいのか
自分だけが知っている自分だけの天気
周りを見渡す それは必死な目的の無い瞳
「大丈夫。」と君が現れ、差し出してくれた鏡
わかった、それで気づいたよ
私の体の中の感情 体の中だけの想い 狭い世界の中の音
しっかり聴こえていたんだね
無意識のうちに頬を伝う雨粒
ひとりぼっちじゃない世界にも しっかり雨は唄っていた
もう一人ではない世界でのどは鳴らさない

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