女の子の部屋は、花であふれていました。
お母さんが育てた花をたくさんくれたのです。
男の子にはすべての花の種類を言うことができます。
この花はどうしたんですか?
枯れちゃったの。
この花にあまり水は必要ありません。水をやるのをやめて、陽に当たるところに出してあげてください。
男の子はそっと植木鉢を手に取ると、窓際に置きました。
ありがとう。
んで
もっと聴かせて欲しいの。オトの楽器の音を。
男の子は生活のために楽器を作り、鳴らしてきました。
しかし、この女の子にはいつまででもずっと聴かせてあげたいと思いました。
見たことのない世界を見せてくれた女の子には、聴いたことのない音色を。歌を。
男の子は楽器を手に取ると一音鳴らして、口を開きました。
わぁぁ…なんだか素敵な展開。
今まで全く別の世界にいた女の子とオト、二人の人生がが初めて重なった瞬間、ちょっとトリハダが立ちました。
オトの楽器って、いったいどんな音を奏でるのでしょう。