今日は文化祭準備。外が暑くて帰る気になれない私は、一人教室に残って勉強していた。そこに、前から気になっていたS君が…
「おう、暁。まだ残ってたのか。」
「あ…うん。外暑くて帰る気になれなくてさ。」
「…。そっか。…。あのさ、今週の土曜日空いてない?花火一緒にいかない?」
「え。空いてるけど…」
「いや、変な意味じゃないんだ!行きたかったんだけど、友達皆予定あいてなかったから、さ。」
「あ、私も友達にふられたんだよね…」
「そっか。んじゃ決まりな!楽しみにしてる!」
そして、花火大会当日。
浴衣もきたことのなかった私が、頑張って初めて浴衣をきた。不覚にも私は人混みの中、足を挫いてしまった。
「おい。大丈夫か?ほら…」
彼は頬を赤らめながら手を差し出した。
「ありがとう。」
そう言って手を繋いだ。私が立ったとき、彼はボソッと何か呟いた。しかし、それと同時に花火を知らせる音がなって聞こえなかった。彼は私の耳に手を当てて、
「だーかーらー、好きだっつってんだろ。」
そして、二人は手を繋いだそのまま花火が一番よく見えるところまで歩いていたのだった。