妄想デートその2
今年も未確認フェスの日がきた。楽しみだった私は、開場の三時間前についてしまった。意外と早くから並んでいる人多いんだなぁ。そう思って私も並ぶと、すぐに私の次にある男子が並んだ。あれ、どこかでみたことある?誰だっけ、と必死に思い出していると、彼は私に話しかけてきた。
「あれ?どこかで会ったことある?」
「私もそんな感じがしてたんですけど…。」
「どこから来たの?」
「千葉県の○○。」
「あれ、俺も。」
話していくと、共通点が何個もあった。そして、流れで二人でフェスを回ることに。二人でいるときは、他の誰といるより笑顔になれた。あれ、今日会ったばかりなのに、なんでこんなに楽しいんだろう。
一緒に帰っている途中もずっと話は尽きなかった。そして何より、空白の時間もちっとも苦痛ではなかった。
ついに、お別れの時間…。あれ、なんかすごく悲しい。
「これからも、一緒にどっか行けたりするかな?」
「俺はハイジといて凄く楽しかった。…。初めて初恋というものをしたかもしれない…。」
「え?」
「俺と付き合わないか?」
「…。はい!」
その時どこからか、花火の音が聞こえた。