月夜を掻き混ぜた はるかの彼方ら
そこには秘密の河原があつて、
辺り一面に、陽が満ちてゐるのでありました。
不安定な川床の上、さらさらと
さらさらと音立てる陽を浴びた
君は歓声を上げ、蝶を追うのでありました。
岩に取り残された影の
淡く くつきりとした輪郭を辿る
私は唯その声を、聴いてゐるのでした。
いつか足許には さらさらと
さらさらと水が流れ、
月影に照らされた仄白い足が、迎えの為に、
しやらり、とそれを踏むのでありました。
岩の上には、今、二つの影が取り残され
それに陽は、さらさらと
さらさらと降り積もってゐるのでありました……
わぁ、素敵…
夏休み、子供たちが汗を散らしながら遊ぶ河原じゃなくて、朝晩や木陰は少し肌寒いぐらいの、とうめいな陽射しがきらきらと美しい、とても不思議な水と光の世界。
寓話のようで童話のようだけれど、大人の童話だね。こんな話が書きたいといつも思うけれど、ぼくには書けないんだなぁ…
とても素敵な夢を魅せてもらったよ。ありがとう
シャア さん
素敵なお題とレスをありがとう。
私にとって秋の風は透明で、
さらさらしているのね。
そしてさらさらと言えば中原中也の
『一つのメルヘン』なのね。
だからその世界の中で遊ばせていただきました。
元の詩を思い出して改めて読んで、想像して、
とっても楽しい時間を過ごせたから、
その切欠をくれて どうもありがとう。
読んでみたよ。これは素敵…今まで知らなかったのが信じられない(笑)
ほんと、夢のような詩だねぇ…けど苑のも同じくらい素敵。
中也は「憔悴」がいちばん好き、と云うかあれを見つけてから他のものをあんまり読んでいなかったかも。
勿体ないよね、作品はたくさんあるのに。また本腰を入れて読んでみようかなぁ。
シャア さん
探してくれたのね、ありがとう。
ね、ね、とっても素敵でしょう。
私、詩人の中で中原中也が一等好きなの。
不安な時とか、緊張する時とか、
いつも詩集を読んで深呼吸をするの。笑
いつか全集を買うのが夢でね、
多大なる影響を受けてもいると思う。
だから同じくらいって言ってもらえて
それこそ 夢のようだよ。笑
『憔悴』からは とても力強さを感じる。
私は初め、何方かと云えば穏やかな、
諦念が底にある優しさ、みたいなものに
惹き付けられたんだけど、この詩はまだ
諦めきっていない足掻きというか、
ひりつくような鋭さみたいなものがあって
これはこれで とっても どきどきするなぁ。
他の詩達も、お時間ある時に是非是非 読んでみて。
私はいつも、『港市の秋』を ふっと思い出して
それで読み返したくなることが多いな。
綺麗な世界ですね。中原中也さんだとサーカスのブランコが「ゆやーんゆよーん」て揺れてるのが好きですね。ちっちゃい頃口ずさんでた気がします。
望月朔 さん
レスありがとうございます。
綺麗と言っていただけて嬉しいです。
中原中也を好きになった切欠が
『サーカス』でした。
彼の詩の独特なリズムや音は
私には心地の好いものばかりなのですが、
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
は、その1つです。
声に出すのが楽しい一節ですよね。