あなたは昔から透けたものが好きだった
日に透かしてキラキラ光るもの
水に溶けてしまいそうな
目がチカチカするような
おもちゃの宝石
色の入ったビー玉
割れた硝子の破片
角が取れてくすんだシーグラス
あなたの好きなものが
私の好きなものだった
だけどね
私が一番好きだったのは
私の肩を濡らした
あなたの涙
あっ
言い忘れたけど
あなたがだいすきだった
あなたの影を透明にした
碧い海の透明はだいきらいよ
とうめいなもの、本当に昔から好きでした。色硝子のコップが割れたときなんか、危ないけどたまに見とれてしまうことがあります。
(シーグラス、知らなかったので調べました。)
(寄り物なのですね、素敵だなぁ…)
好き嫌いって想い出や大切な人の記憶に基づいていることが意外と(でもない?)多くて、それが人生なんだって思うと自分でも愛しくなるし、ほかの人も大切にできる気がします。
つまり「だいきらい」にもすごく濃密な愛情が含まれていて、素敵だなって思いました。
レスありがとうございます!
シーグラス、綺麗ですよね。
中身がなくなって、用無しだと言われ、捨てられ、割れた色付きビンの破片が透明な海に揉まれて砂に打ち上げられたそれを綺麗だという人がいる。そんな光景が「奇麗」だと思い、シーグラスという言葉を使ってみました。
この主人公の気持ちを一番表せる言葉は
大嫌い でも
大キライ でもなくて
「だいきらい」だと思います。