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レモン色の風に乗せて

学校の廊下で
君とすれ違った
僕の鼻をかすめたのは
レモンの香りだった

君は僕のことを知らない
僕は君のことをよく知っている
決してストーカーなどではなくて
君のことが好きだから
僕は君を追いかける

君はこの学校が嫌いなのかもしれない
誰とも関わろうとはしない
すきで入った学校ではないらしい
だけどこうして君を好きな人が
僕という人間がいる

君がよく飲んでいる
レモンティーを買ってみた
僕は紅茶が苦手だから
ひと口で顔をしかめた
だけどペットボトルの口からは
君とすれ違った時に香る
あのレモンの香りが鼻をかすめた

僕の好きな君は
今日で学校を辞めるらしい
もうあのレモンの香りは
匂うことができない
そう思うと切なくなって
気づけば君を追いかけていた

君の少し後ろから
ただようレモンの香りを追いかけて

君が

好きだ。

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