朝の心細い僕の影
灰色の道の虚しさ縮こまり
小さく寒さに手を擦る
あまり変わることのない空気に
ため息を飲み込む
列車とホームの隙間をまたぎ
同じように揺られた
車窓から見える線路は離れたり
くっついたり
また見忘れた
行ったこともない店のあの看板
二駅分の憂鬱
やがて同じ正装の学生達
取りつかれたような足どりで
何処へ行くのだろうか
アスパルトの上で萎れた落ち葉を
踏み潰す
僕はこの道に何を求め何を探すのか
君の声がした
友達と話す声
透き通る
あの鞄
おの青い鞄
すぐにわかる
そのとき
風と共に舞い込んだのは
朝日に照らされた
綺麗で優しい
街並み
空
そして君
気づかなかった
僕は初めて上を見上げた