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今朝

昔好きだった人の夢を見た。
あまりにもリアルで起きてから夢だと信じられなかった。すべての表情、仕草、反応、あの頃のそのままで、私の胸は高鳴りながら、それでも話し続けた。夢の前半、若干ちょっとしたケンカのような言い合いになってしまい、でもそれはなぜかというと、私を分かって欲しいからだった。私はこういう人なんだよと、分かってほしくて必死に話していた。
こんなに人に私を分かってほしい、と思ったのは、この夢だけだった。その感覚は昔の記憶を蘇らせて、懐かしかった。いま、私はこんなにも必死に話したくなる人がいるだろうか。
夢の後半、教室に戻ると、なんと君と隣の席だった。さっき言い合いになったこともあって、「ええ〜」とうだりながらも、密かに私は、まだ君と話せるのだと嬉しかったのもリアルに覚えている。
先生が前で話しているけど、私たちはさっきの言い合いをかばうように、ずっと話していた。それで言い合いのことは忘れてしまっていた。
10年も前の、懐かしい記憶、夢は小学生の私だった。夢は嘘でも、昔に戻ることが出来る。儚いのだけれど、これが夢だと分かるまで、気づくまで、私は昔の記憶に戻っているのだ。
目が覚めた瞬間、一気になくしてしまう夢、その喪失感はとても痛いし、もう一度眠って、同じ夢に戻りますようにとこれほど願ったこともないだろう。
でも夢は私に教えてくれる。私に、必死になる人はいるのかと問うてくれた。
やっぱりどんなに一途な想いでも、はっきりと恋をしていた、本気で人を好きになった、自慢できるくらいのその思い、それは一生記憶に残るし、その思い出ほど大切なものはないと思います。
起きてから、ぼーっとそんなこと考えながら今朝の夢を回想しながら、私は幸せな気持ちで温かくなりました。

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