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「例えば、今日で全部終わってしまうのなら」 前編

7年前、自分が参戦した最初で最後の未確認フェスティバルのラストで、とーやま校長が黒板に書いた言葉がある。

「きっと明日なんてないだろうから今日全部出せ」

その当時、とーやま校長はどうしてそんな言葉を書き残したのかはなぜかよく覚えていないし、黒板に書かれた一文を見てもそのときはなんだかピンと来なかった。
でも。
それから約半年後、新型コロナウイルスが世界中に蔓延し、今までの日常はあっという間に崩れ去った。
あしざわ教頭が叫んでいたように「フリーダム」であると信じていた高2の、最初のふた月は学校に行くことができず、6月にやっと再開してもずっとマスクをしてなきゃいけないし、授業は短縮授業だったし、各種行事もなくなった。
ついでに休校期間中に生活リズムが乱れたのもあったし、自分はマスクをしていると声が出しにくいタチだったしで、授業についていけなかったり、新しいクラスには馴染めなかったりした。
それでも“頑張ったら皆のようになれる”と本気で信じて必死になって喰らいつこうとして…そして原因不明の病気になったり、発達障がいの診断を受けたり、行きたい大学もなくて浪人もした。
結局は、ただの人間にすらなれなかった。

それでも、この場所はずっと心の支えで、こもり校長と逆電したことがきっかけでやめさせられそうだった浪人を続けられたし、それでなんとか大学に合格、たまたま大学祭実行委員会に入って、自分みたいなのに理解ある人たちに出会って…なんとか4年生まで上がってこられた。
全ては奇跡のような偶然の積み重ねなのだけど…ここまで来てやっと、2019年8月25日の未確認フェスティバル2019での黒板の意味を理解できた気がする。

長いので後編に続く。