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暴精造物茶会 あとがき

どうも、テトモンよ永遠に!です。
毎度お馴染み「造物茶会シリーズ」のあとがきです。
今回もお付き合いください。

今回のエピソードは割と初期の頃から構想していたお話でした。
シンプルにきーちゃんたちがトラブルを起こして、ナツィたちがそれを解決する、みたいな感じなのですが、いざ文章化するとかなりの分量になってしまいましたね(笑)
あとは新キャラも出ました。
クロミス、タイサンボク、中紅(なかべに)…と3人も出しちゃいましたが、この子たちはまたチョイ役で出そうかなと思ってるので覚えておいても損はないと思います。
あと投稿している内にこのエピソードの後日談(?)みたいなものを作ろうかな〜と思いました。
そんなに長くはしないのですが、気長に待ってね。

という訳で、今回はここまで。
「造物茶会シリーズ」第8弾もお楽しみに。
で、再来週辺りから「ハブ ア ウィル」の新エピソードを投稿しようかな〜と思うんですけど…まだ完成してないんですよね。
あと少しなので今週中に完成するかな〜と思いますが、再来週には投稿し始めるので楽しみにしていてくださいな。

ではこの辺で。
テトモンよ永遠に!でした〜

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暴精造物茶会 Act 27

「てっきり怒られると思ったのに」
「意外と優しいのかなぁ」
「まさか」
クロミスたち3人は口々に言い合うが、おいというナツィの言葉にびくついた。
「帰るぞ」
ナツィはそう振り向いて声をかけた。
「…」
キヲンたち4人は思わず顔を見合わせる。
そしてナツィがいる方を見た。
ナツィは真顔でコドモたちの方を見ていたが、不意にまた前を向いて歩き出した。
その様子を見ていたピスケスや露夏も歩き出す。
「行こう」
黙り込むキヲンたちの様子を見かねたかすみは、4人に声をかける。
「あ、うん」
「そうだね」
キヲンやクロミスはそう答えてナツィたちのあとに続く。
タイサンボクや中紅も頷き合ってあとに続いた。
その様子を見たかすみも皆に続く。
人気のなくなった大学構内を、コドモたちは去っていった。

〈暴精造物茶会 おわり〉

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暴精造物茶会 Act 26

「まぁいいわ」
ピスケスはそう言うと近くのレンガ作りの建物の陰を見やった。
建物の陰からはキヲンたち5人のコドモたちが顔を出しており、そちらへ露夏が駆け寄っていた。
「…」
ナツィはコドモたちを見て呆れたようにため息をつく。
そしてナツィは手に持つ大鎌を消すとコドモたちの方に近付いた。
「ナツィ」
キヲンは思わず声を上げ歩み寄るが、ナツィはそんなキヲンの襟首を乱暴に掴んだ。
「えっ、あっ、ちょっと」
キヲンは驚いて抵抗するが、ナツィは暫く襟首を掴んだままじっとキヲンの顔を見つめていた。
後ろでその様子を見ているかすみやクロミスたちも慌てる。
「…」
数分の間ナツィはキヲンの襟首を掴んでいたが、やがて何かを諦めたように手を離した。
「あ、あれ?」
キヲンは思わずポカンとする。
しかしナツィは何も言わずキヲンに背を向け歩き出した。
「怒られ…なかった⁇」
キヲンはつい後ろのクロミスたちの方を見る。
クロミス、タイサンボク、中紅の3人も驚いたような顔をしていた。

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暴精造物茶会 Act 25

「⁈」
怪物が攻撃の飛んできた方を見ると、地上で黒髪のコドモことナツィが黒い歪んだような刃を持つ短剣を構えていた。
「…行かせない」
ナツィがそう呟くと、屋根の上の怪物は唸り声を上げながら地上に向かって飛び降りる。
ナツィは短剣を芝生に投げ捨てると、蝶が象られた大鎌をどこからともなく出して構えた。
そして怪物が目の前まで迫った時、ナツィは大鎌で相手を袈裟斬りにした。
「…」
怪物は悲鳴を上げることなく足元から崩れて落ちると、音もなく消滅し始めた。
ナツィは黙ってその様子を見つめていた。
「お見事」
不意にそんな声が聞こえてきたのでナツィが顔を上げると、乾いた拍手をしながらピスケスがナツィの元へ歩み寄ってきていた。
しかしナツィは別にとそっぽを向く。
「お前らの援護のお陰だ」
俺はそこまでやってないとナツィは呟く。
「あら、褒めてくれるの⁇」
ピスケスが笑顔で首を傾げると、ナツィはうぐっと飛び上がった。
「べべべべべ別に俺はそういう意図で言ってないから‼︎」
俺はテメェのことが嫌いだし!とナツィは声を上げる。
ピスケスはうふふふと笑った。

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暴精造物茶会 Act 24

飛び上がった怪物は翼を羽ばたかせながら芝生の上を飛んでいたが、そこへ上から黒い影が飛び込んでくる。
怪物は避けきれず、黒い影が携える大鎌が背に突き刺さった。
そのまま怪物は地上に黒い影もろとも落ちていく。
「%{“{>%{*]$_$+!」
怪物は悲鳴を上げながら芝生の上で暴れるが、黒い影ことナツィは大鎌を怪物の背に深々と突き立てる。
だが怪物が暴れるあまり大鎌からナツィの手が離れてしまった。
「⁈」
ナツィは勢い余って芝生に転がる。
怪物はよろめきながら立ち上がり、いつの間にか近くのレンガ作りの建物の陰に隠れていた5人組の方を見た。
建物の陰から戦いの様子を見ていたキヲンたちは驚いたように陰に引っ込む。
怪物は建物の方に向かって駆け出そうとしたがその背に数本の矢が突き刺さって動きを止めた。
怪物が振り向くと、近くのレンガ作りの建物の屋根上に青髪のコドモが弓矢を構えていた。
怪物は翼を広げ青髪のコドモことピスケスに向かって飛び立った。
ピスケスは咄嗟に背中の白い羽を広げて飛び立つ。
怪物は建物の屋根上に着地するが、そこへ地上から紫色の火球が直撃した。

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暴精造物茶会 Act 23

「そうね」
早く片付けて家に帰りましょうとピスケスは目の前でこちらに威嚇する怪物を見上げる。
「…やるぞ」
ナツィはポツリと呟く。
そしてナツィは蝶が象られた大鎌、ピスケスは弓矢をどこからともなく出し、露夏は懐から包丁を取り出した。
「<{“;$]+;$\#{*]+‼︎」
相手の殺気に反応したのか怪物はナツィたちに飛びかかる。
しかし3人は飛ぶなり横跳びするなりしてそれを避けた。
怪物はナツィたちの後ろにいた人工精霊たちに突っ込もうとしたが、5人は見事にそれを避け切った。
「{^{‘;€]_$*;>{*」
怪物は唸り声を上げながら振り向く。
怪物の目の前には赤髪のコドモが包丁を向けて立っていた。
「さっさと、倒れてもらおうか‼︎」
赤髪のコドモこと露夏が包丁に魔力を込めると、その切っ先から赤い火球が撃ち出された。
しかし怪物はそれを易々と飛んで避ける。
火球はそのまま大学の敷地外へ飛んで行くと思われたが、敷地の外へ出ようとした時に見えない壁のようなものにぶつかって、火球は消失した。

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暴精造物茶会 Act 22

「確かピスケスさん所の…」
クロミスが怯えたような顔で言うので、露夏はできるだけフレンドリーに笑いかける。
「あー、まぁおれはピスケスの“狗“って所だね、うん」
きーちゃんがいつもお世話になってまーすと露夏は小さく手を振る。
クロミスはひぇっと震え上がった。
「露夏ちゃん」
とにかくあの子たちを連れてここから逃げよう、とかすみが露夏に話しかける。
露夏はあ、そうだなと答えると、じゃかすみ後は頼んだと怪物の方へ向かった。
「え、ちょっと⁇」
かすみはおろおろしたが、そのことを気にせず露夏は歩いていく。
やがて怪物の目の前で魔力障壁を張っていた青髪のコドモの隣に露夏はやって来た。
「いや〜すごいことになったなぁ〜」
露夏がそう言ってキャップ帽のつばをちょっと上げると、随分のん気ねと青髪のコドモことピスケスは隣の人工精霊に目を向ける。
「うっかりしてたら何も知らない一般人に見られてしまうわ」
ピスケスがそう言うと、そうだなと上空から声が飛んできた。
2人が見上げるとナツィがふわりと舞い降りてきていた。
「今は一般人があまりいない時間帯だからいいが」
昼間だったら大惨事だとナツィは芝生に着地する。
「…ま、とにかくコイツを片付けちゃおうぜ」
コイツ、侵入者と認識した奴を倒さない限り大人しくならないんだろ?と露夏は両腕を後頭部に回す。

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暴精造物茶会 Act 21

「テメェら…」
ナツィは何か言いたげな顔をしたが、飛びかかってくる怪物に気付いて即座に飛び上がる。
怪物はそのままキヲンたちに突っ込もうとしたが、そこへ今度は青い髪に白ワンピースのコドモが駆け込み短剣を怪物に向けた。
青髪のコドモが持つ短剣は、切っ先から光線がいくつも伸びて魔力障壁を展開した。
「>;*{+]“|>}‘;$[!」
怪物は障壁に弾き飛ばされる。
キヲンたちはその様子を呆然と見ていたが、赤い髪にキャップ帽を被ったコドモとジャンパースカート姿のコドモが駆け寄ってくるとキヲンはあっと声を上げた。
「露夏ちゃん! かすみ!」
助けに来てくれたの⁈とキヲンは立ち上がり2人に近付く。
「もーお前ら何やってんだよ」
赤髪のコドモこと露夏は腰に右手を当てて呆れたような顔をする。
「“学会“本部の地下にいる警備用人工精霊にちょっかいかけるとか正気か〜?」
露夏はそう言ってキヲンの顔を覗き込む。
キヲンはだって〜と口を尖らせた。
「きみは」
不意に誰かの呟きが聞こえたので、露夏が声の主の方を見るとヒレ耳のコドモ…クロミスがふらふらと立ち上がっていた。

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暴精造物茶会 Act 20

「クロミス」
キヲンは立ち上がって近寄ろうとするが、ぐふっといううめき声と共に中紅が3人の足元に転がってきた。
「ベニ!」
クロミスが思わず呼ぶと、中紅は右腕を押さえながらよろよろと立ち上がる。
「あなたたち、早く逃げなさいって行ったのに…」
なんで逃げないのよと中紅は3人を睨む。
「あ、あ、ごめ」
クロミスがそう言いかけた時、怪物の雄叫びが辺りに響いた。
パッとキヲンたちが前を見ると、先程の怪物が翼を広げて地上に舞い降りてきた。
「“{+[$;”*;“;”;*|“|$‼︎」
怪物の唸りに4人は後ずさる。
怪物は目の前の人工精霊たちににじり寄る。
このままじゃと誰もが思ったその時、キヲンたちの目の前に黒い影が飛び込んできて紫色の火球を撃った。
「⁈」
火球が怪物に直撃し、辺りは煙に包まれる。
やがて晴れた煙の中から姿を現した、黒い翼を生やしゴスファッションを身に纏ったコドモを見とめると、キヲンは明るくナツィ‼︎と呼んだ。
ナツィ、と呼ばれたコドモはちらと後ろに冷たい目を向けた。

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暴精造物茶会 Act 19

「ひっ…」
タイサンボクは驚きのあまり腰を抜かしてしまった。
「た、タイサンボク〜」
キヲンは慌ててタイサンボクの元へ駆け寄る。
それを見た中紅は目の前の怪物に向かって歩み寄った。
「あ、ちょっとベニ⁈」
クロミスは慌てて引き留めようとするが、中紅はその場で唸る怪物に近付いていく。
「…みんなは先に逃げてなさい」
ここはわたしが、と言いながら、中紅はどこからともなく2振りの太刀を出す。
「食い止める‼︎」
中紅は太刀を握りしめると目の前の怪物に飛びかかった。
「>{“|‘${$_<\>\*;+||”>|“‼︎」
怪物は雄叫びを上げると襲いかかってくる人工精霊を飛び上がって避ける。
中紅は地上の芝生に着地して、すぐに怪物を追って跳ね上がった。
「…」
キヲンたちは呆然とその様子を眺めていた。
「どうしよう」
クロミスのせいだ…とクロミスはしゃがみ込んで頭を抱える。
「クロミスが探検しに行こうとか言ったから…」
ベニがこんなことに、とクロミスは震える声で呟く。

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暴精造物茶会 Act 18

一方その頃、キヲンたちは燃えるような目を持つ怪物に追われて廊下を走っていた。
「どどどどどどうしよう⁈」
葉のような髪を持つコドモ、タイサンボクはパニックに陥りながら逃げている。
「どうしようって、どうしようもないじゃない‼︎」
紅色の髪に狐耳が生えたコドモ、中紅はそう声を荒げる。
「クロミスが扉を開けようとするからよ!」
「うっ、そんなこと言わないでよベニ」
「事実は事実じゃない!」
中紅の指摘にクロミスはうろたえる。
それを見たキヲンはまぁまぁ2人共ケンカしないの〜となだめようとしたが、中紅はケンカしてないわよ!と鬱陶しそうに言い返す。
キヲンは何も言えなくなった。
「…とにかく、建物の外へ出るわよ!」
前を向いた中紅はそう叫んで走る速さを上げる。
他の3人もそれに続く。
暫く走ってキヲンたちは建物の外に出たが、建物の出入り口をすり抜けて怪物も飛び出してきた。
「うぇえええっ⁈」
あいつ、建物の外に出られるの⁈とクロミスは声を上げる。

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暴精造物茶会 Act 17

「今のって…」
「まさか!」
かすみの言葉を遮るように、ナツィはソファーから立ち上がる。
そして慌てて部屋から飛び出していった。
ナツィは廊下を走って階段の方に向かおうとするが、建物の角の向こうを走って逃げる見覚えのある4人のコドモと、それを追う有翼で炎のような目の肉食獣のような大きな怪物の姿が見えた。
「ナツィ」
後から出てきたかすみは心配そうにナツィに声をかける。
ナツィは部屋から出てきたかすみ、ピスケス、露夏に目を向ける。
「行くぞ、お前ら」
ナツィはそう言って走り出した。

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暴精造物茶会 Act 16

「まだ未熟な学生魔術師の使い魔だから、何かとんでもないことをするとは思えないんだけど…」
ピスケスはそう呟くが、ナツィはそうとは限らないだろと真面目な顔をする。
「ああいうちびっ子は危なっかしーんだよ」
誰か年上が付くべき…と言いつつナツィはテーブルの上の自分のティーカップに手を伸ばす。
しかしティーカップに触れる直前にぴたと動きを止めた。
「?」
何かに気付いたようにナツィは顔を上げる。
かすみはどうしたのナツィと尋ねると、ナツィは暫くの沈黙の後口を開いた。
「…今、気配がした」
ナツィがそう呟くと、ピスケスはそうねと頷く。
「明らかに近くで大きな魔力が動いたような気配がしたわ」
露夏も静かに頷く。
「魔力の気配って…」
かすみがそう言いかけた時、建物の階段の方からキャーッという誰かの悲鳴とガシャンという大きな物音が聞こえた。
「⁈」
部屋にいる4人はバッと顔を上げる。