「確かにそうだけど」
「ちゃんと見てないと貴重な瞬間を見そびれちゃいそうだしー」
ねー露夏ちゃん?とキヲンはテーブルの反対側に座る露夏に目を向けた。
露夏は、おう!と頷く。
「2人ががっつりいちゃついてるところなんてなかなかお目にかかれないし!」
あのナハツェーラーがガチデレしてるところなんて見られたら最高だわな!と露夏は立ち上がった。
「まぁそれはそうだけど…」
「とにかくナツィを追っかけたい!」
「おもしれーもん見てぇじゃん⁈」
ピスケスはつい苦笑いするが、キヲンと露夏は楽しそうに目を輝かせる。
「それはわかってるわよ…」
でもちょっと騒ぎ過ぎというか、とピスケスは続けた。
それに対しキヲンが、えーピスケスはナツィとかすみのいちゃいちゃ見たくないの〜?と首を傾げる。
ピスケスは、そんなこと言われても、ねぇ?とテーブルの向こうに目を向けた。
「?」
キヲンと露夏がそちらに目を向けると、上着のポケットに両手を突っ込んだナツィがテーブルの目の前に立っていた。
「だ、誰ですの…?」
わらわにペットボトルなんて…とヴァンピレスは顔を上げる。
わたしも彼女が目を向ける方を見ると、紺色のパーカーのフードを目深に被った少年…黎がちょうどモノを投擲するようなポーズで立っていた。
「まさか、貴方…」
ヴァンピレスはふらふらと立ち上がると、黎に向かって具象体の白い鞭を向ける。
黎はかすかに後ずさり、ヴァンピレスは思い切り具象体を振り上げようとした。
しかし、ヴァンピレスの後方から、させるかぁーっ‼という叫び声が聞こえる。
「⁈」
ヴァンピレスが振り向くと、黒い大鎌を振りかざした少女…ネクロマンサーが飛びかかってきていた。
ヴァンピレスはネクロマンサーの具象体を自らの具象体で受け止める。
「あら貴女、わらわの分身はどうしましたの?」
「あんなの倒したよ‼」
「まぁそれはご苦労さま」
ヴァンピレスとネクロマンサーはそう言い合って後ろへ飛び退いた。