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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 番外編 スプリングミーティング ⑤

ショッピングモールはいつも人が多い。
何せこの辺りでは数少ない娯楽施設なのだ。
周辺地域中からも人が集まるため、何だかんだ平日も休日も客が多い。
でも、そうでもない場所もある。
…例えば、階段。
ショッピングモールでは皆エスカレーターや階段を使うから、自然と階段の周りは人がいなくなる。
だからそこはボクにとって格好の隠れ家だった。
「…」
1人、階段の踊り場に座り込んでいると、上のフロアから音が聞こえてきた。
誰だろうか、とボクは身構える。
暫くすると足音の主が階段を下りてくるのが見えてきた。
「…」
下りてきた人物とボクは踊り場で対峙する。
「何」
思わずボクは相手に尋ねる。
「いや、何って…」
相手は手の中の缶ジュースに目をやる。