「そんなことはどーでもいーの!」
ボクを作ってくれた、それだけでいいと金髪のコドモは続ける。
「だから、よろしくね、“マスター”!」
金髪のコドモはパッと顔を上げて女に笑いかけた。
女はまだポカンとしたまま自分に抱きつく金髪のコドモを見ていたが、やがてこう呟いた。
「…寧依」
「?」
金髪のコドモは首を傾げるが、女はわたしの名前と続ける。
「寧依?」
「うん」
それがわたしの名前、と寧依は頷く。
「ほえーん」
金髪のコドモは不思議そうな顔をした。
「わたしはあの青髪の天使みたいな奴に変な石ころ2つと指南書的なものを渡されただけで、その通りに術式を組んでみたらこんなことになるなんて」
「え、“マスター”がボクを作ったんじゃないの⁇」
「え、“作った”⁇」
コドモの言葉に女は驚く。
「それは、どういう」
「えー“使い魔”のボクを作ってくれたんじゃないの〜⁇」
ね〜ぇ〜?とコドモは女の上でじたばたした。
女が訳が分からずまた呆然とする。
「いやだってわたしは術式を組んで魔力を流しただけであなたを作ろうなんて」
そう言いかけた所で、女はコドモにぎゅっと抱きしめられる。
一瞬彼女の息が詰まりそうになった。