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無銘造物再誕 Act 5

「いや、わたしあなたの親じゃないし」
「そんなこと言わないの〜」
使い魔は作った人を“親”にして、魔力の供給する人を“マスター”にするんだよ〜と金髪のコドモはテーブルの上のロールパンの袋に手を伸ばす。
寧依は…そうなの?と聞き返す。
「そうだよ〜」
ボクの魔力供給の術式、寧依が持ってるでしょ?とコドモは笑う。
寧依は…これ?と手元のローテーブルに置かれている黄色い石ころを見やる。
それには細かい紋様が刻まれており、光をぼんやりと放っていた。
「うん」
ああいう術式の持ち主が“マスター”なの、と金髪のコドモは続けた。
寧依はふーんと言って、よく知ってるのねとこぼす。
「使い魔はそういうの、知ってて当然だから」
金髪のコドモの言葉にふーんとまた寧依は頷く。
「…で、あなたのことはなんて呼んだらいい?」
寧依の質問に金髪のコドモはふえ?と拍子抜けしたような声を出す。
「なんてって…」
ボクの名前は寧依が付けてくれるんじゃなかったの?と金髪のコドモは首を傾げる。
え、と寧依はロールパンを食べる手を止めた。