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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ㊸

「せっかく彼女がきみを受け入れるって言っているんだ」
きみの意思で決めなさい、と逢賀さんはヴァンピレスの目の高さまでしゃがみ込む。
ヴァンピレスはぼろぼろと泣きながら、わらわは、”わたし”は…と呟きかけた。
逢賀さんが立ち上がった時、その瞳はすでに赤黒く光っていなかった。
「もう、独りになりたくない…」
彼女はそうこぼすと、わたしの手をそっと取った。
ネロ達が静かに見つめる中、わたしはヴァンピレスの手を引っ張り上げて立たせる。
「…そういえば、あなたの本名、聞いてなかったね」
なんでいうの?とわたしが尋ねると、彼女は涙を拭ってこう答えた。
「”わたし”は、宇都宮 ひらり」
辺りには、ひらひらと初雪が降りだしていた。

〈25.ヴァンピレス おわり〉