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Tell us terrible Terrors:死にゆくお前に中指を! その⑥

「おい後輩……コンクリからは絶対出るなよ。さっきは油断したが、もう破らせねえから」
加奈は血の滴る左腕を押さえながら、絞り出すように静かに言う。
“ハグレイ”は既にコンクリートに覆われた橋の下から出て、土壌が露出した地点に立って二人を睨んでいる。
「おい、その傷処置した方が良いだろ」
「お前『腐敗傷』なんてものの手当の仕方知ってんの?」
「知らねえけど、出血止まらない抉れ方してんだろ」
「圧迫止血はしてるわバーカ。どうせ離脱のしようも無いんだし、さっさとあいつ倒して帰んぞ。取り敢えず『殺し方』は思い付いた」
話している間にも、全方位から生えだした草木が二人を襲うが、加奈は【ポルターガイスト】で川の水や周囲の土、コンクリートの破片などで迎撃し続ける。
(どうやら、あの“大顎”は直接足元に出さなきゃならないっぽいな……でなきゃこのラッシュに混ざってるはずだ。けど……流石にこの怪我抱えた状態で、コンクリ割られないようにするのと攻撃全部迎撃し続けんのはキツいな……)
加奈はその場に膝をつき、思考と精神のリソースを可能な限り能力行使に回す。
「おい、『殺し方』って何だよ」
「ま、面子が足りないから今は使えないんだけど」
「はぁ!? じゃあどの道無理じゃねえか!」
「るっさいわねェ……『全方向から削がれ続けても問題ない前衛』なんてものがいなけりゃどうしようも無ェってのよ。あたしの【ポルターガイスト】は『全手動』なんだから」
「……!」
(あんたの能力は聞いてる、“二重身”……あんたの【ドッペルゲンガー】なら、このクソみたいな作戦が成立する!)
陸斗が加奈の背中に手を置いた。
「勝手に触んな変態」
「能力のために必要なんだよボケ。分かってんだろ」
「……ったくしょーがねェなァ~~~! やんぞコラ」
「おう」
【ドッペルゲンガー】異聞能力が発動した。陸斗の背後に現れたのは、加奈と同じ姿の実体が1つ。無言・無表情のソレは加奈の目の前にしゃがみ込み目を合わせた。
「よォ、“あたし”……一緒にあの先輩、弔ってやろうぜ?」
牙を剥くように笑う加奈に、“ドッペルゲンガー”は無表情のまま小さく頷いた。