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Tell us terrible Terrors:あけて その⑳

『き、ぎ、きる、ぎる、れ、とべ、とばせ!』
“八尺様”は石の大剣を地面に打ち付け泥片を飛ばし、吉継に対して威嚇する。『自分は武器を持っている』『自分は強大な殺傷性を出力できる』と主張するように、その刃を自身の3分の2程度の背丈しか無い少年に向ける。
「……強そうな武器だな。それで俺を斬るのか?」
『か、が! ぎゃ、ぎる、くび、くび!』
「そうか……」
吉継は王蕗にハンドサインで下がるように伝えると、自ら首元を曝け出した。
「やってみるか? 獲物が死んでも良いってんならよ」
錯乱と武器への興奮に支配された“八尺様”に、挑発を理解する余力など残っていなかった。何故吉継を狙っていたのか、彼の異能が己にどのような不都合を与えるか、そういった思考は、『“手段”を持つ自分の前で、敵が急所を晒した』という状況に、一瞬で塗り潰された。
『きりゃ、ね、て、げりぇェァ!』
岩石製の鈍い刃身が振り抜かれる。当然の如く、それは吉継を害さなかった。代わりに“八尺様”自身の首から上が、音も無く刎ね飛ばされ地面に転がる。
吉継が数歩後ずさる目の前で、死体の手から大剣が零れ落ち、長身がゆっくりと俯せに倒れ伏した。
「…………何か、すげぇアッサリした最期でしたね」
「結構人間味あったねぇ……そうだ、秋津さん起こさないと」
王蕗が畑に転がる潮に駆け寄り、彼女を揺り起こす。
「秋津さん、秋津さん。無事に終わったよ」
「むにゃ……ん~……?」
「秋津さん、起きて。永江くんがやってくれたよ」
「こーはい……くん…………後輩くん! 無事!?」
潮が跳ね起き、周囲を見回して“八尺様”の死骸を発見する。
「私が寝てる間に何があったの!?」
「あーっと、後で説明します。取り敢えず祖母ちゃん家戻りましょ」
「うー……ずっと寝こけてたの悔しいなー」
2人が農道を歩いていく背後で、王蕗は畑のサツマイモの傍にしゃがみ込み、能力を発動した。
「“コロポックル”たちや。今夜作ったものは全て自然に還して、証拠隠滅しておくれ」
小人たちは頷くと、複数のグループに分かれて行動に移った。