雨中家路、歩くことしかできない アスファルト、靴、金格子の下轟く濁流 柔らかそうな雑草も、吹き去る車道の音も 今は雨でしかない ゆえに全く自然に、私は自由であった 世界を遮られるほど、断絶の中を歩くほど 傘は頭蓋骨のように、雨を硬く断絶する 歩くことしかできない頭蓋の下 自由で手足が冷えてゆく