いつか必ず笑顔で会いたい。
うちの両親は仲がいいと思っていた、ちがう、思いたかった。
でも実際は私が3歳の頃には夫婦生活は破綻してて、全然気づかないまま12歳まで両親と私の3人で暮らしてた。
でもある日、私が熱を出したときに母の祖父母の家に看病って行って母と私で家を出たきり3人の戻ってくることはなかった。
そのまま私が中2の頃に両親は離婚。
私は母に引き取られた。
中学を卒業して高校合格を父に伝えてからちちには会っていない。
私が知らなかっただけで、父は貯金を事業に使い込んでた。
騙されてたって思いが強くて、父を受け入れられないままの自分がいる。
でも思い出すのは小さい頃に家族3人で笑って遊んだ記憶だけで、時々無性に虚しくなって、私がなにかできたんじゃないかっていう罪悪感に襲われることもある。
来年の春には高校を卒業して一人暮らしを始めるかもしれない。
しかも私の夢は女優っていう不安定な世界。
一人で生きていけるのか、私がいなくて母は大丈夫なのか、不安がたくさんある。これから先のことは誰にもわからない。
でもただひとつ決めてるのは、大学に合格したら父に笑顔で会いに行きたい。
だから、待っててね。パパ。
必ず笑顔で、いつかまた。