どうやら春が来たらしい 何かと節目に当たる季節だ 前に見た桜が散ったあの日からずっと つまらないという本音を隠して 欠けた何かがどこにあるのかを 知っているのに探している 桜はもうすぐ咲くことだろう 僕はまだ冬を越せない
1人飲む夜は気まぐれ 良くも悪くもその日その時の味 たまの涙がアクセント 今宵の一杯は澄んでいるな 乾いたペアグラスの片方をちらと見る 満月に向かってつぶやく 「いつか連れを紹介するよ」 それまでこいつはとっといてくれ
いつもより寂しさと寒さが際立つ日 街が眩しく2人組を包みこむよる 星が綺麗で一人感傷に浸ってみる 1人だから言えることを呟く 1年後に2人でも言えるように
自分以外の世界が組み立てた音楽は 知らないことで溢れている その一つ一つの音たちを自分の中に取り込む すると自分の世界が少し広がった気がするんだ 今日も紙の上で生きる世界を指先で描くよ
すぐ隣だったり少し遠かったり 色んな距離で歩いてる僕らだけど どこにいたって同じ道を歩いてる 同じ時間を生きている だから大丈夫、きっと大丈夫
アニメや漫画の恋の展開なんて信じねぇけど 唯一運命の出会いってやつは信じてやるよ じゃなきゃこの感情をどう説明しろってんだ
当たり前だった事が特別になったり 憧れだった事が当たり前になったり 大人になるって事は何かを失う感覚に 慣れていく事なのかもしれない
「寒いね」って二人で言った時の温かさ 「寒いな」って一人で思った時の冷たさ 今年はやけに寒いと感じるのは きっと冬だけのせいじゃないだろう
君とでないと見れない夢 それが何かはわからないけど あるのかどうかも不確かだけど 一緒に居ればわかるような気がした
肌寒い季節になった 一段と磨かれた空気は星を輝かせ いつか君と見たような月は美しいままだ ただ、少し遠のいた夜空は君と僕のようだった