日高昇足猶慵起 (日高く昇り足れども猶ほ起くるに慵し) 古家唯響蹴空缶 (ただ古家に空缶蹴る音の響くのみ) 頬白啼声欹枕聴 (頬白の啼く声は枕をそばだてて聞き) 御嶽山雪閎襖看 (御嶽山の雪は襖を広げて看る) 信濃即常遅流行 (信濃即ち常に流行より遅れ) 木曽仍少人多猿 (木曽仍ほ人少なく猿多し) 心泰身穏是帰処 (心泰く身穏やかなるは是れ帰する処にありや) 我何座禅組気懸 (何ぞ我座禅組たることを気に懸けん)