「月が綺麗ですね」 こんなセリフ、私にはかっこ良く言えそうにないから、ストレートな言葉で伝えようと思う。 そんなこと、「好きです」なんて伝えられるはずないのにな。
急にかかってくる電話とか ふざけてるのに急に真面目になる横顔とか 何でもないそぶりをしていたけど 実はちゃんと好きだったのよ この先暫くは 誰と会って何を話しても どんなに美味しいご飯を食べても 全部君と比べてしまうんだろうなと 行き交う人の波を見ながらぼんやりと思う 平気なふりをしたの お陰様でね、随分上手になったわ 思い出が多すぎて どれから捨てていいか分からないほどよ 手をつければきっと今、泣いてしまう ふ、と坂道から見た入道雲に 馬鹿野郎、と叫びたい気持ちになった