足跡を付けるためのペンキを買う日
白紙に近い手中の地図
辺りはどこを見ても新しい
太陽は落ちて影法師が伸びる
それだけが見覚えのあるすべて
怖気付いた目の奥のキャラバンはただ嗤う
そんな事する暇 あんなら もっとおれに
勇気をくれよ
アリガトウもバカヤロウも今日で最後 明日はない
だからと言って面と向いて
(ありがとう)
言えてたらお縄はいらない
また ひとつ声が減った 昨日数えた音が無い
太陽が伸びて影法師が落ちる
夢見て飛び込んだあの街はほこり臭い
目を飾るハイライトは赤が滲んでじっとり黒ずむ
ほらもう汽笛が鳴る
右左足と乗り込む ばいばい
私はここでさよなら
涙も花束もえんぴつも残さない
そう思って箱を開けると
既に何も残されてない
僕らみんな目の奥に同じ影があるだけ