クリスマスとミセスと私
全然笑わないあの子が
全然喋らないあの子が
よく分からなく、苦手だった。
私は1ヶ月間新しいことばかりを教わって、
その度に失敗して。
うまくいかなくて、怒られてばかりで、
辛くて辛くてたまらなかった。
そんな時、全然笑わない、喋らないあの子が
突然、私に近づいてきた。
私があまりにも苦しく泣いていたからだ。
その子も1ヶ月苦しんでいる。辛いはずだ。
だが、自分の辛さを置いてまで、
人の辛さに寄り添ったのだ。
勝手な想像で苦手としていただけだった。
あの子は人に寄り添える優しい子だった。
見かけで、どんな人間かなど分かり得ない。
私は人に消極的である。
あの子のように、どんな子か分からないような、全然笑わず怖そうな子が居たとしても、
話をして、人を知っていきたい。
人を知れる、人になりたい。
寄り添える人になりたいと思った。