井の中の
空気の淀みを隠しきれない空間
ちまちまとした雑談は皆ひとかたまりに
彼女のもとに群がるのは
同じ表情した尻軽ども
「サスガ○○チャン、スゴイネ」
機械顔負けの、量産型の文句
哀しくも彼女は
その薄っぺらさになど気づきもせず
醜い自尊心を顔いっぱいに馴染ませる
「そうよ、あなた達なんかより一番すごいのは私よ」
だから何だというのだろう
狭っ苦しい空間で幻覚を拝み
大海に出てしまえば
所詮は退屈な凡人なのではないかと
いうことは微塵も考えないで
愚かな群衆と女王様は
今日も大海を知らないまま
空虚に時間を浪費してゆく