中学校2年生秋。憂鬱な社会の単元テストの返却日。けれど返却された時思わず私は息を呑んだ。「え……。私にしては……良い……。」恐らく皆からすればなんてことない点数だろうけれど、私はとても嬉しかった。その日の放課後、部室の前にいると社会の先生が話かけてきてくれた。「今回のテスト頑張ったね!次も頑張って!!!」ただ、なんてことないその一言だった。その一言で、私の人生は大きく動いたのだ。あの日、あの時吹いた秋風を私の身体は今も鮮明に覚えている……。
「私、算数大好き!」そう言っていた小学校1年生の頃の私。しかし高校生になった今。「数学なんて……数学なんて……。こいつがいるから私はいつもこんな悲惨な結果なんだ!!!」6点のテストを握り締めながら憎悪を剥き出しにして叫ぶ。小学校1年生から高校生になるまでに一体何が起こったのか!